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旭川家具とは

About
家具の聖地・旭川。

北海道大雪山系の森の木を伐り出し、生活の道具をつくり始めたのが、旭川家具の発祥です。一世紀を超える時を重ね、旭川市を中心とした東川町、東神楽町、当麻町一帯は、日本5大家具産地の一つに数えられる「家具の聖地」となりました。旭川家具は、先人から受け継いだ「ものづくりの文化」を、これからもこの地で受け継いでいきます。

ものづくりに懸ける哲学。

旭川家具工業協同組合では、木を大切にする気持ちを示し、より質の高い家具づくりを目指すため、2007年に「旭川・家具づくりびと憲章」を制定しました。私たちはこれからも、この考えの元、この地にて家具づくりを続けて行くことを誓います。

旭川・家具づくりびと憲章

1. 人が喜ぶものをつくります。

旭川に生きる者として、世界の人々に長く愛用してもらえるすぐれたデザインの道具を、丹精込めてつくります。

2. 木のいのちを無駄にしません。

100年かけて育った樹木に感謝し、1本1本を生かしきるとともに、ミズナラの育つ森を次代に渡すため植樹活動に取り組みます。

3. 高品質なものを必要なぶんだけつくります。

材料の仕入れから製造、廃棄まですべての面で地球環境を意識し、質の高い製品を適正な量だけつくります。

4. 修理して使い続けられるようにします。

レストアの体制を整えるとともに、修理や張り替えの容易な構造を工夫して次の世代まで使える家具をつくります。

5. 次代の家具づくりびとを育てます。

これまで培った産学官一体の土壌を生かし、技術と文化を継承する人材を育成しながら、挑戦と実績を重ねていきます。

旭川家具の強み — 1/4

良質な木材に恵まれた
雄大な自然環境

北海道のまん中、広大な大雪山国立公園の麓に位置する旭川は、豊かな森に囲まれ、木工業にとって大変恵まれた環境にあります。旭川家具は、身近で良質な北海道産材の使用比率を高めることで、木材の輸送にかかるエネルギーを可能な限り減らすことや、北海道の森を持続的に循環させ続けることに取り組んでいます。

旭川家具の強み — 2/4

職人と先端機械が織りなす
高い技術力

手仕事による精巧なものづくりと、機械でしか成し得ない生産力。それらを融合した高い技術力が、旭川家具の個性と品質、そして適正な価格を可能にしています。さらに、技能を競う全国大会「技能五輪」で長年メダリストを輩出し続けるなど、次世代の作り手を育成する取り組みも、産地一丸となって積極的に行っています。

旭川家具の強み — 3/4

国際的に評価される
美しく機能的なデザイン

1990年から3年に一度、世界中からアイデアを募る「IFDA(国際家具デザインコンペティション旭川)」を開催。30年を超える年月をかけて取り組んだIFDAによって、海外からも高い評価を得る今日の旭川家具の姿に繋がっています。そして、旭川の「デザインの追求」が実を結び、旭川市は現在ユネスコ・デザイン都市に認定されています。

旭川家具の強み — 4/4

世界屈指の木工インフラが整う
「産地」としての総合力

次世代を育て、産地全体を支える教育機関や行政機関。国内外から資材が集積する環境と、国内外に構築した家具を輸送する物流網。さらに、家具を体験・販売する複合施設を運営するなど、旭川は世界でも類を見ない木工インフラが整う産地として、大小様々なメーカーが多様性を認め合いながら、日本の家具産業をリードし続けています。

北海道遺産としての旭川家具

北海道遺産は、北海道民全体の宝物として選ばれた、次の世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産。北海道の豊かな自然、歴史や文化、生活、産業など、各分野から道民参加によって選ばれている全74件の北海道遺産の一つに旭川家具は選定されています。

織田コレクション

織田コレクションは、椅子研究家の織田憲嗣氏が長年かけて収集、研究してきた、20世紀のすぐれたデザインの家具と日用品群。その種類は北欧を中心とした椅子やテーブルから照明、食器やカトラリー、木製のおもちゃまで多岐にわたり、さらに写真や図面、文献などの資料を含め系統立てて集積されており、近代デザイン史の変遷を俯瞰できる学術的にも極めて貴重な資料です。旭川家具は、織田コレクションが旭川へ移転したおよそ30年前から長きにわたり、様々な形で織田コレクションを支援し続けており、2017年の東川町による公有化後も支援・協力体制を構築し、織田コレクションを通じた文化活動の推進に取り組んでいます。

木を通じた教育活動

北海道が推進する「木育」を、家具産地として積極的に取り組んでいます。木育とは、子どもの頃から木を身近に使っていくことを通じて、人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育む取り組み。(北海道ウェブサイトより一部転載)旭川家具は、特に家具産地で育つ地元の子どもたちに「木」や「家具」を身近に感じてもらえるよう、木育ワークショップを積極的に開催。2023年には、主たる会場となる旭川デザインセンターに、木工体験をお楽しみいただける専用の工房「ADC LAB」を新設するなど、木を通じた教育活動を強化し続けています。

次世代を育成するための取り組み

若手職人の技能向上に向け、官民一体、産地一丸で様々な取り組みを行っています。中でも「技能五輪」への参加・出場はその中心的存在です。技能五輪とは、23歳以下の若手職人・技術者が技能レベルを競う競技会で、旭川地域は歴代多くのメダリストを輩出し続けています。さらに、全国大会で上位入賞を果たすと2年に1度開かれる国際大会へ出場することが出来、旭川地域は8大会連続出場を果たしています。

旭川家具No.1職人を決定する
旭川木工技能競技大会

技能五輪をはじめ、産地一丸で取り組んできた次世代を育成する取り組みをさらに発展、強化すると共に、産地を作り手から活性化することを目指し、「旭川家具No.1職人」を決定する「旭川木工技能競技大会」を2022年に創設。旭川家具の大小様々なメーカーから職人が集結し、日々の仕事はもちろん、自主的に鍛え上げた技とメンタルで熱い戦いを繰り広げ、メーカーの垣根を超えた産地全体の一体感や盛り上がりを醸成しています。

ここの木の家具
北海道プロジェクト

旭川家具では、国内はもちろん世界的な森林環境における問題に目を向け、北海道産材の活用を推進する「ここの木の家具・北海道プロジェクト」を2014年からスタート。木を長年扱ってきた経験に基づいて「自主基準」を設け、積極的な活用と品質維持に取り組んでいます。

北海道産広葉樹の使用率を増やし続け
今では「5割」を超えるまでに

2014

2022

北海道産広葉樹の使用基準
1.樹種:カバ、ナラ、タモ、クルミ、サクラ、イタヤカエデ ほか
2.定義:木部の外観表面の80%以上が北海道で伐採された広葉樹であること。

旭川家具の植樹活動

家具を作るために「木を伐るスピード」を「森が育つスピード」に合わせることが、旭川家具を長く作り続けていくことに繋がる。この考えの元、1992年に一部のメーカーから始まった植樹は、2004年に旭川家具工業協同組合組合の主催となり、以降、業界全体の活動と位置づけて取り組み続けています。私たちは、「知的循環型社会」を目指し、これからも新しい木を植え、森を育て続けて行きます。