
- 構成的にはなんでもないよく見かける椅子であるが、軽く見せる工夫など無垢材の骨格をどう削り込んでいくかというところに妙味があり、その面構成に新しさを感じる。(川上)
- 一刀彫りというか、一太刀で削り取ったようなイメージには新鮮さがある。後ろのボリューム感など全体のバランスには改善の余地がある。(深澤)

この『catena(カテーナ)』は、スタンダードな椅子のフォルムを構成する線に対し、「一筆書きが出来る2本の線として再構成する」というテーマを課してデザインしたものである。2本の線が滑らかに繋がるよう、各部材の端部や接合部の曲線を調整する中で、前脚と後脚の脚先にある曲線の方向が変わるなど少しの個性が生まれた。また、スタッキングを可能にする為に横へ飛び出した後脚と、座面横の面同士が美しく繋がり調和をもたらした。結果として、堅実な道具として日常生活に馴染みながらも、線や面をつい目で追ってしまうような愛着感と、そこから感じる技術の高さが伝わるような椅子が実現出来るのではないか。catenaとは「連鎖」の意であり、一筆書きの線にすることで、必然的に面や端部のディテールが個性を持つことを表現している。

舟橋 慶祐
Keisuke Funahashi
日本
1975年 | 愛知県生まれ |
1999年 | 名古屋芸術大学美術学部デザイン科SD専攻卒業 |
2001〜2007年 | オフィス家具メーカー、プロダクトデザイン事務所勤務 |
2008年 | フリーランスデザイナーとして活動開始 |
2009年 | KEISUKE FUNAHASHI DESIGN設立 |
2009年〜 | 大同大学 情報デザイン学科 プロダクトデザイン専攻 非常勤講師 |
受賞歴 |
|
2004年 | 富山プロダクトデザインコンペティション 準とやまデザイン賞 |
2004年 | デザイン・コンペティション海南 the final 大賞 |