IFDA2011: Bronze Leaf [ FLY-BY-PLY ]

国際家具デザインコンペティション旭川2011

Bronze Leaf ブロンズリーフ賞

講評
  • 一般的に成形合板で作りたくなる形状だが、あえて全てソリッド材で作っているところを評価する。デザイナーのセンスと職人の技術力が高いレベルで結晶した芸術的な作品である。機能的にも強度的にも充分なものに仕上げていく必要はあるが、ソリッドな板を使いながら100年使えるエコロジカルなものになるであろうという可能性への期待を込めたい。(長原)
作品概要

総成型合板の椅子。全ての部材の接合面の段差を無くし、全ての接合部のラインを曲線でつなげている。プロトタイプは試作製作の都合上無垢材で作られているが、座面は二次曲面、背板は不等厚の三次曲面、脚部は駒入りの成型合板である。接合部はフィンガージョイント加工で強度を確保する。成型合板とフィンガージョイントの組み合わせにより、少ない材料で強度も十分な軽量の美しい椅子が実現できる。

作品名は接合部のラインがフライ‐バイ(天体の引力を利用して宇宙探査機の運動方向を変える技術。スイング‐バイとも言う。英語では gravity assist の方が一般的)による宇宙探査機の軌道を連想させることから名付けた。

Yoshimitsu Asakura
朝倉 芳満
Yoshimitsu Asakura
日本
1969年生まれ
1992年 金沢美術工芸大学 工業デザイン専攻 卒業
1995年 長野県上松技術専門校 木工科 卒業
  家具メーカー勤務を経て
2003年 家具工房asaasa 設立
2008年 国際家具デザインコンペティション旭川 入選
2010年 工房移転に伴いアサクラデザインに改号